Dr.森田の医療・介護お悩み相談室

1971年横浜生まれ。経済学部卒後、医師に。夕張市立診療所の元院長。財政破綻で病院がなくなっても夕張市民は元気だったよ!医療費も減ったよ!と論文やTEDxで発表したところ各界から総スカンを食らう。今は鹿児島県でフリーランス医師。懲りずに執筆・講演・研究・web発信など儲からないことばかりやっている。

妻を肺ガンで亡くした愛煙家の苦悩

 

 

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「陽のあたる坂道」1958年(日活)

 

 

 

 タバコ関連の話題が世間を賑わしていますね。

 

受動喫煙で塩崎大臣が自民に譲歩へ「厚労省案調整」

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20170516-00000024-ann-soci

 

 今回の一連の報道についてとか、

タバコによる健康被害・それでも吸う権利とかについて、

今更とやかくいうつもりはあまりないのですが、

こんな話が出るたびに、10年ほど前に亡くなられた

ある患者さんのことを思い出します。

 

 70代女性、肺扁平上皮癌、確定診断時すでにstage4。

本人はタバコ吸わない。

一方、夫は1日40本の愛煙家で自宅室内でタバコを吸うことを厭わずに数十年・・

結果、肺ガンになったのは、タバコを吸わない奥さん・・。

夫婦、それぞれ思いはあっただろうけど、

奥さんは特に何も言わず旅立たれました。

 

 

 受動喫煙の話が出るたびに、あの時の旦那さんの

『心の奥では何かとても複雑な思いがあるんだろう・・

 でも、それを表に出さない、男の意地みたいな、淡々とした対応』

を思い出して、こちらが複雑な感情になります。

 

 考えてみれば、僕が子供の頃は、成人男性はみんなタバコを吸ってましたよね。

家庭の食卓や居間に灰皿があるのも当たり前。

今では考えられませんが、寅さんとか昔の映画を見ると

医者が診察室でタバコを吸っているシーンも結構出てきます。

チョット前まで電車やバスにも灰皿ありましたもんね。

 

 

 そう考えると、今の禁煙が進んだ社会状況は隔世の感があります。

まあ、それだけ毒性・中毒性が強い薬物だということなんですよね。

 

WHOなんかは、かなり強い口調です。

 

「毎年、世界では600万人近い人々が喫煙の流行により死亡していますが、そのうち60万人以上が非喫煙者で受動喫煙によって死亡しています。我々が行動を起こさない限り、喫煙の流行により2030年までには年間800万人以上が死亡すると推計されます。」出展:WHO神戸センター http://www.who.int/kobe_centre/mediacentre/wntd2014/ja/

 

 毎年600万人!(推計方法とかは全然知りませんけど・・)って、千葉県の人口くらい ((((;゚Д゚))))

そのくらいの人々が毎年毎年、タバコの害によって亡くなられてる(かも)、

って結構ショックですね(T^T)

 

 ま、統計がどうとかではなく、先程の旦那さんのような、

 

『愛する人の命が失われてしまうことの原因が自分かもしれない』

 

と、悩む人が一人でも少なくなってくれたらいいな、と僕は思います。

 

そんな社会を作っていくために、僕は(オリンピックとか関係なく)これに署名しました。

  

 

 
  偉い人に届いてくれたらいいな〜。

 

追記)

こんなプロジェクトも出来ましたね。僕も末席に名前を連ねています。

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